株式会社プリミティブ・ドライブ

2024.04.12

AMA夢草日記『里芋』No.06

プロフィール

AMA夢草

AMA夢草日記『里芋』No.06

台風が接近。ラジオのニュースが流れた。温度35度、風速30m、高波5m。自宅の裏の物干し竿や、ごみ入れバケツなどが転がり落ちる音がする。裏の山と田んぼの状況を見に外へ。山裾の田んぼの稲が左右に波打っている。

午後7時、薄暗い光がある。50m先の田んぼの中心から10数人の人影が歩いて接近。長い棒のようなものを持っている。

黒ずくめ、長い髪をなびかせている、数人は仮面を付けている。緊張。恐ろしい瞬間。「AMA 夢草」落ち着け、落ち着くのだ。自分に言い聞かせた。時代劇の盗賊改めの長谷川平蔵のシーンでも、忍者映画の撮影でもない。人などいるはずがない。「しゃがむように、風をよけあぜ道を前へ、黒装束に仮面、仮面には数本の横の筋が見える。30mぐらい近くによると、黒い一群は人でなく、里芋畑であった。風の影響で稲穂より50cm高い20本の里芋が揺れているだけ。表と裏の葉が仮面に、人の顔に見えただけである。自然の中の薄暗い光、里芋の裏の太い横筋を浮き彫りに光る。仮面ライダーにも見える。「AMA

夢草」は笑った。なんと自分の体が防御の姿勢をとっているではないか?!

世界の中では国と国との境界線、他の国への侵略戦争が起きている。命が危険な日々を送っている人々もいるのが現実。日本はこの60年、戦争はない。日本は幸せだった。恐怖、緊張、などのシーンはテレビや映画の物語の映像から知るものだった。

70年前、子供のころ、怖かったお化け屋敷、妖怪が住む森、幽霊が出る墓地。今ではみんなビルになった。自然公園も安全、安心のため、鉄格子の折の中。子供のころ遊びで里芋の葉を裏側にして仮面を作ったこともあった。

里芋の葉の裏の横筋は太く異常な怖さを感じた。1970年ごろ登場した仮面ライダーにも似ている。長い間、人気がある、正義のライダー、悪の秘密結者ショッカー・ライダーなど、いろいろ生まれている。ライダーの生みの親、石ノ森章太郎先生もこの世を去った。改造人間にされた本郷猛がいればこの世界の混乱を救えるだろうか?今先生が生きていたら86歳ぐらいになる。

この数十年平和な時代があった。我々の子供のころの怖いものが、時代ともに消えていった。墓地もビルの中に、昔からの森も開拓され安全管理公園に。これも時代である。この日本は安全で素晴らしい社会に成長しているがこの数十年、人との関係にも恐怖や緊張を感じたことはなかつた。先人たちが残した神社や狂言の演武に面が使われ喜怒哀楽、災害や怨霊、悪との戦いや役割の教えがあった。面がシンボル化されている。

日本の神社の奉納の踊り面、祭りなどにも数多くの面が残っている。狐、猫、天狗、般若、おかめ、ひょとこ、アンパン。過保護の時代で育った人間は本来の持っている危険や、恐怖、戦いの意識を失うかもしれない。

今、社会で怖いものが現実にもあるという意識を持つ必要がある。安全安心の組織の目的を軌道修正していかなければならないのかと感じる。

凄い風が空を舞い、雨が強く、山裾の田んぼに吹き付ける。そばに来て里芋の葉を触った。思ったより硬いそして大きい。子供のぐらいの大きな面の仮面ごっこ、子供のころは両手で持ち上げて抱えるようにして遊んだ、子供には重たく、怖さもあり、面白い遊び道具だった。

「AMA夢草」としては「いい爺」のくせに女狐、おかめ、ひょっとこや仮面ライダーで遊びたい、いや子供になりたいと思っている。笑って、笑ってください。

 

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